東南アジア最後の秘境と呼ばれるラオス。そのラオス北部の都市、ウドムサイから綴る日本人のブログ。 PMCという特産品(クズやシナというラオスでも稀少な産品を素材に使った製品など)を扱うショップで、ボランティアとして日々何かしらに奮闘しています。
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この2年間、当初想定したよりもだいぶ多くの記事を書いていました。
それだけ、活動で考える機会を多くもらえたのだと思います。
せっかくなので、この2年間の自分の活動を振り返るためにも、
このブログの過去の記事を自分で読み返してみました。
そこで、自分なりの考えをまとめたお気に入りの記事というものを5つのテーマで厳選してみました!!
〇マーケティングのとらえ方
マーケティングってそもそも何だろう?ということに少し触れてみました。
(本編)マーケティングの意味と他者理解
〇活動に取り組む姿勢
仕事・活動を進めて行く上での心掛けをまとめました。
〇赴任4カ月時点で策定した活動戦略
戦略策定に関する考え・キーエッセンスをまとめました。
(前置き)モグラ叩きと経営戦略 -赴任4カ月-
(本編)戦略の方向性 -PMC解体新書-
〇創業or事業を進める際の前提
事業を動かそうとする人に、事前に承知しておいてもらいたいことをまとめてみました。
〇リーダーシップ
組織を動かす上での留意事項をまとめました。
おそらく、一般の読者の方が面白いと思う記事とは異なると思いますが、
そこは自己満足用のブログなどでご容赦ください!!
初めに断っておきますが、社会的観点から見た是非ではなく、
今日は、参加者個人としての意義について書きたいと思います。
私個人としては、参加して良かったと本気で思っています。
任期もほんの少し残っていますが(笑)
具体的に、私が協力隊の経験で得られると思うものは、よく書かれるものが多いですが以下の5点です。
1.組織マネジメントの経験
・異文化の中、組織・プロジェクトのマネジメントを任されるなんて、滅多に経験できるものではありません。現場を動かす力というのは、確実につくと思います。
なかなかハードなことも多く経験しますが、その分考えさせられる機会は多いです。そして、日本で起きていた問題も、ラオスで起きている問題も相通じるものが多いと気づかされます。日本ではなかなか表面化されないことでも、ラオスでは分かりやすく問題が生じるので、解決へのアプローチが逆に取りやすいこともあります。
そして、忍耐(根気)と許容を学んだ経験でもありました。
2.海外生活への免疫
・これも良くいわれますが、将来海外で働きたいと思っている人にとっては、海外で働くことに対する抵抗が薄くなると思います。
また、別の意味では、国際協力への向き・不向きを自分自身で知るための「お試しの期間」としても、協力隊の2年間は有効かもしれません。2年間もあると、途上国で働くことのいいことも悪いことも多く経験できます。それらをひっくるめて、自分が途上国でさらに働きたいと思えるかを試すいい機会になりうると思います。
私はラオスという国で、周りの環境に恵まれていたので、本当に辛い生活は体験していないというのもありますが、また機会さえあれば途上国の現場で働きたいという想いが続いています。
3.人生の選択肢が広がる
・これは別に協力隊に参加したからというわけではないですが、協力隊に参加するために会社を辞めたことで、人生の選択肢が広がった気がします。というよりも、自分の中で勝手に束縛していた選択肢を解放した感じです。
どういうことかと言うと、あと4年ほど会社に働き続けていたら、おそらく私は会社を辞めるという選択肢は絶対に取れなくなっていたと思います。会社を辞めたことで、会社に生涯を捧げる以外の道も見えてきました。逆にこれからは、今までは選びえなかった道を進んでいくことになります。ある意味、会社を辞めた時点で足を踏み外してしまったのかもしれませんが、これからの人生、それぞれのタイミングで最良の選択肢を取っていきたいと思っています。
4.人脈
・日本の会社で働いていても、人との良い出会いはあり、人脈は築けると思います。しかし、協力隊の活動では、今までとは違う国際協力の分野での人脈が築けます。そして、自然とそちらの情報も流れてくるようになります。将来、国際協力の道に進もうとキャリアプランを立てている方であれば、そういう人脈・情報を得る機会というものは悪くないと思います。
5.楽しい思ひ出
・別に遊びに来たわけではありませんが、プライベートでも仕事でも、すごく貴重な思い出ができました。私生活は、文化が違うので新しいことばかりですごく刺激的でした。仕事では、頑張って出した成果をスタッフと共有できたときや、生産者のお母さんたちとのコミュニケーションがいい思い出です。現場で働くことの大切さとともに、現場で働くことの楽しさも再認識できました。
人との交流や、苦労の上での成果、仕事の楽しみってこういうところにあるんだ、と思い出させてもらいました。
そして、こういうのが仕事のモチベーションになるんですよね。
以上5点が、私の考える協力隊で得られる良いものです。
はっきり言って、収入も地位も安定も、働いていた方がはるかに良かったと思います。
また、上司に恵まれたこともあり、前職の仕事もやりがい、社会的使命感ともに私を充足させてくれるものでした。
そのため、前職は、辞めるのを最後まで悩んだ会社でした。
しかし、そういったものをすべて載せて天秤にかけても、私が挑戦してみたいと思ったのが国際協力の舞台でした。
今でも思いは変わりません。
ぶっちゃけ、私にも会社を辞めたことを後悔する日が必ず来ると思います。
しかし、そのまま会社にいても、違う後悔が長く続いていたと思います。
どちらを選択しても後悔はあるのでしょう。
協力隊の活動の環境や条件、内容は千差万別であり、絶対的なマニュアルはありません。
その分、個人の資質に依るところは大きくなってきます。
それは成果だけではなく、自身が得るものについても同様のことが言えると思っています。
日本の会社に馴染まないから、という消極的な理由ではなく、
日本での自信を途上国で行動に変えたいという想いがあれば、派遣国で稀有な経験を得ることができるはずです。
何か協力隊の参加により自分の目的が達成でき、現在の状況を超える何かを感じるのであれば参加を考えてみるのは悪くないかと思います。
いろんな協力隊員やこの2年間に経験した諸々を自分の主観で見て、
協力隊員に求められていることは、大きく以下の3点だと考えています。
1. 2年間活動を全うし、無事に帰国すること
2. 活動先の人々と仲良くなってくること
3. 日本での経験を活かし、成果を残すこと
ちなみに優先順位は、そのまま上の降順です。
本当に主観ですが、
「1」が60%、「2」が35%、「3」が5%くらいの割合かなと思っています。
「1」については、協力隊の単なる前提条件のように感じる方もいらっしゃるかと思いますが、
本人の意志に関係なく帰国しなければならない人も見てきたので、最も大事なものだと思います。また、何か事情があって期間を満了できず帰国する隊員が続いたら、協力隊事業そのものの存続が危ぶまれますからね。
そのためには、身体はもちろんのこと精神の調整、活動へのモチベーション、義務感、心の在り方など、さまざまなものが必要だと思います。
私はラオスという国や自分の周りの環境に恵まれていたので、体調管理以外はあまり意識してこなかったですが、途上国で仕事・生活をするというのはなかなか大変なことのようです。
「2」と「3」については、個人によってかなり考え方は違うと思いますが、
私が協力隊でより求められているのは、仕事の成果よりも、現地の人たちといかに仲良くなって帰ってくるかだと考えています。
仕事の成果を上げることよりも、むしろ隊員自身が途上国で働く経験を得させてもらう場だと私はとらえています。
もちろん、私も「3」はかなり意識して活動をしてきていますが、それは自分自身の経験のためにやっています。当人ほど、外部は期待していなかったりするのではないかと思っています。
というわけで、私は、任地での生活を楽しく過ごして2年間の活動を全うできたら、それだけで協力隊事業にとって意義深いものだと思っています。
そして、その中で経験を得て、その後の自分のキャリアに活かしていくことが大事なのだと思います。
「2」はできていると思っていますし、「1」もあと少しで達成。
欲張りに「3」も目指していてきましたが、
とにかく残りわずかの任期、怪我なく健康で、楽しく過ごしたいものです。
このブログではいろいろ語ってきたマーケティングの拙い私の知識。
自分でも勘違いしないようにしないといけないと思っているのが、
そのマーケティングの知識も、実際はそのままでは役に立たないことが多いということです。
実際の現場というものは、どこも全く同じ状況のものはありません。
一見似たような問題を抱えている現場同士でも、
自分たちの持っているもの、置かれている状況、周囲の環境は、それぞれ異なっています。
そのため、それぞれの現場に対して、個別具体的に知識を活用し、柔軟に対応していかないといけません。
現場の成果に対してのみ言及すれば、知識を持っているだけでは役に立ちません。
むしろそれよりも、プロセスはどうであれ、現場に対しての解決策を提示できることの方が意味を持つと思っています。
正直、私も成果さえ出るなら、その手段は教科書の方法から逸脱していても構わないとさえ思っています。
それが新しい可能性を秘めたアプローチとなることもあると思いますし。
かと言って、知識が全く不必要かと言われれば、そうではないと断言できます。
まず、成果を出すことに当たっては、
個人で動くならそういう感性で動くこともいいかもしれません。
しかし、組織を動かす際には、
「知識」を持っていることで役に立つケースが多いです。
それは、何か新しいことを導入しようと、周りにプレゼンするときです。
その際に、何の根拠もなく新しい策を提案するよりも、
その案の導入根拠を「知識」で裏付けしてあげると、説得力が違います。
その人自身にすでに信頼、説得力があるならば必要ないかもしれませんが、
知識も、私たちの発言に説得力を増させてくれるツールになりえます・
また、マーケティングの知識は、
問題解決のアプローチに全く見当もつかない際に、思考のヒントを与えてくれることも多いです。
さらには、それまでの知識や経験の組み合わせにより、その後(未来)の予測がつけやすくなるということもあります。
確かに、知識はそれだけでは机上の空論になりうるという批判もあるかもしれません。
しかし、私は上に挙げたようないくつかの理由により、
現場においても、知識はあるに越したことはないものだと信じています。
活動の任期は10月1日(木)までですが、
首都ビエンチャンで、最終報告会や表敬訪問を行うため、
今日任地ウドムサイに別れを告げてきました。
今月に入ってからは、
連日の送別会or生産者訪問で忙しい日々が続いてきました。
そのため、あまり物思いにふけって感傷に浸る時間もなく、今日が来てしまいました。
ただ、飛行機に乗り込み、
飛行機の窓からウドムサイの街並みが小さくなっていくのを見ると、なんだか急に切なくなりました。
自分次第でまた来られるのも分かっていますが、
当たり前になりつつあった日常が急になくなってしまった感じがするのとともに、
感謝、満足、反省、楽しかった思い出が混ざり合った複雑な感情です。
ウドムサイとPMCは、
私にたくさんの思い出と、さまざまな経験を与えてくれた場所でした。
ここで過ごした2年間を無駄にしないように、
今後の人生設計もしっかりしたいと思います。
ウドムサイのみんな、本当にありがとうっ!!!