東南アジア最後の秘境と呼ばれるラオス。そのラオス北部の都市、ウドムサイから綴る日本人のブログ。 PMCという特産品(クズやシナというラオスでも稀少な産品を素材に使った製品など)を扱うショップで、ボランティアとして日々何かしらに奮闘しています。
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最近の記事にも書かせていただいていますが、現在、配属先の決算資料の様式を整えています。
決算書というのは、おそらく配属先スタッフが考えているよりも、組織の運営管理のためにはるかに重要なものです。
日本でも、決算書はただの税金申告のための書類ではありません。
企業の現況を正しく理解するためのものです。
企業は、「ヒト・モノ・カネ」だとよく言われます。
決算書は、一見カネの動きだけを表すように感じます。
しかし、ヒト・モノ・カネは複雑に関係しており、決算書はそれらの動きを表してくれています。
そのため、決算書という定量的な数字だけでも、ある程度の企業実態が把握できたりするのです。
そこまでできなくとも、
経営者として会社の数字が理解できなければ、適切な経営判断ができないでしょう。
何が会社に利益をもたらし、何が足を引っ張る要素になっているのか。
あるいは、目標に対して会社経営がどのように進んでいるのか。
それらを決算書は教えてくれます。
決算書は直接お金を生むものではありません。
しかし、合理的な経営判断、経営戦略の設計をするには必要なものなのです。
途上国での家計簿普及の活動も同じ役割があると、私は思います。
家計簿をつけても家計収入は向上しませんが、合理的な生活設計はできるようになるはずです。
いずれの場合でも、目標に向かって適切な戦略を立てるためには、その実態を正しく把握することが不可欠であり、そのためには、決算書や家計簿の存在が必要になるのではないでしょうか。
せっかく決算資料の様式を整えているので、企業評価をする上で重要だと思う経営指標や決算書の見方を、配属先にも紹介したいと思っています。
あまり多くを一気に伝えてしまっても混乱すると思うので、まずは収益力、運営効率を測る指標に絞って、単純だけど重要なものを紹介していきます。
1.原価率
2.商品回転率
3.2期比較、3期比較による変化
1.原価率(%)=売上原価÷売上×100
PMCは、行政が運営している組織のため、従業員は公務員給料があり、建物もそこに帰するために家賃・土地代は発生しません。つまり、通常の小売業であれば必ず発生する人件費と家賃という大きな固定費負担がPMCにはありません。
そのため、PMCの損益分岐点売上高は低く、赤字リスクはあまりありません。
そのためか収益についての意識は甘いので、なかなか次年度のトレーニング費用や投資などに資金を確保できていません。今後の事業のさらなる発展のためには、収益力についても考える必要があるでしょう。
PMCの運営目的を鑑みれば、方向としては、不当に高い価格設定をするのではなく、逆に、利益が極端に少ない商品の見直しをするのが妥当でしょう。
2.商品回転率(回転)=売上÷期中の平均在庫高
式からも分かるように、1年間に商品が何回転したかを表します。
その意味するところは、在庫投資の効率性を表わすことができる指標ということです。
仮にこの数字が低いということは、在庫投資に対して、期待するほどの売上を上げられていないことを意味します。
過大在庫になっている可能性があり、不良化、長期化をうたがう必要があります。いずれにせよ、適正な在庫投資が行えていないと言うことができるでしょう。
逆に、この数字が高いと、少ない在庫投資で多くの売上を上げたことになります。
商品回転率は、利益率だけでは分からない運営効率を与えてくれる指標なのです。
3.2期比較、3期比較による変化
決算書を見る際に、前期、またはそれに加えて前々期の決算書と比較するのはひとつのテクニックです。
2期or3期と決算比較を行うと、経営の変化に気づきやすくなります。
また、何か問題や特別な利益を享受していた時も、それが一過性のものか、構造的なものかを知る手がかりになります。
さらに、経営指標としてはベンチマークと比べても異常値ではなくても、過去の実績から比較すれば悪化している数字もあるかもしれません。そういったものに気づくことができます。
その事業の特性を知る上で、このように過去のデータと照らし合わせて考えてみるということは大事なのです。
また、事業成長のトレンド(傾向)を把握できるというメリットもありますね。
企業の過去と現在を知れば、その企業の未来を推察するひとつの根拠になります。
日本で働いていた頃は、よく安全性の指標にも気をかけていました。
しかし、PMCでは原則掛取引を行っていないのと、プロジェクト支援の資本で始まっている組織なので、安全性は比較的高い状況にあります。
日本では、流動比率や固定長期適合率、金融費用対売上高比率、資金繰り、資金収支、、、等を常に気にしながら企業分析を行っていましたが、その頃とは少し状況が異なっているようです。
余裕があるのは、もちろん企業の運営にとってはいいことです。
だからこそ、マーケティングへの危機感が薄くなってしまっているのかもしれないですが。
(余裕があると言っても、企業の事業規模ベースから考えればの話で、日本のベースから考えれば少額ですが。)
ともかく、自己資本とキャッシュフローに余裕があるうちに、いろいろ手だてを考えていきたいところです。
そのためにも誤った経営判断を行わないように、しっかりとした現況分析を行っていきたいです。
前回は、他人の動かし方について書いてみました。
それに対して今回は、新しいことを導入しようと何かを改革する時の、そもそもの人の反応について書いてみようと思います。
これについては現在の配属先スタッフの反応と、前職で仕事をしていた時の経験からまとめてみました。
A. 積極的に変革を推し進めようと同調してくれる人
B. 斜に構えながらも、変革の内容を判断して同調してくれる人
C. 周りに飲まれてなんとなく変革に同調or否定する人
D. 変革に対して、否定的な人
E. 変化を望まない人(仕事自体に後ろ向き、無関心な人)
改革を説得させるにあたって、また改革を進めていくにあたって、
B、Cにある人を、をいかにAに近づけていくかが重要です。
Dについては、内容を吟味したうえで、批判的な意見を持っているのであれば、問題はありません。
いや、問題はあるのですが、再度こちらの改革案を見直してみる機会になります。
こちらの改革案がまだ至らない可能性もありますので。
その上で、再度説得していけばOKだと思います。
ただ、Dの中にいる注意すべき人物は、内容如何にかかわらず、ただ理由もなく反発しようとする人です。
理由もなくと書いてしまいましたが、私の経験で言えば、
「自分よりも若いよそ者にとやかく言われたくない」という風に感情的にものを考える人です。
基本的にそういう人は、口だけで大した信念は持っていないことが多いのですが、陰でこそこそ何か言われることが多いです。
こういう時は、誰かを介してうまくコミュニケーションを図ったり、その人の上司をまず味方につけて外堀を埋めて行ったりする必要があるでしょう。
まぁ言うのは簡単ですが、実際はけっこう難しくて、いつもそれをうまく巻き込むのにいろいろ試行錯誤をしています。
日本でも同じような目で見られることには慣れていましたが、どこまで出来ているかは分かりません(笑)
ただ、このDの中にはこちらに賛同してくれるようになる人も必ずいるので、
熱意と論理性は持ち続けて、改革は進めないといけないでしょう
Eの人は、Cくらいになってくれればいい、という感じです。
これについては、前回の他人の動かし方の記事のことを利用して、うまく仕事を誘導する必要があります。
仕事をすることで、その経験から何かを感じ取ってくれることを期待しています。
Aの人が一番頼りにしたくなりますが、
初めからAにある人は気をつけた方がいい場合もあります。
調子がいいけど、うわべだけでいざ困難なことが起きた時には簡単に裏切ることがあります。
Eに似たものを感じます(笑)
B→Aに行った人は、信用できるし、その後の仕事がやりやすいと感じています。
何かトラブルが起きても、一緒に考え、対応してくれる人が多いです。
何かまとまりもなく書いてしまいましたが、現在私の配属先のスタッフがどの辺にいるのか、改めて考えながら書いてみました。
活動のこれまでを振り返りつつ、今後どういう方向でスタッフを巻き込んでいこうかを考え、活動をうまく締めくくりたいです。
協力隊としてラオスに赴任し、約1年半が経過しました。
ここまで、ラオス語で資料を集め、聞き取り調査をして現況分析をしたり、
ヒト・モノ・カネが十分でない中で改善計画を実行したりといろいろしてきましたが、
やはり一番苦労した(苦労している)のは、他人を動かすということです。
途上国の生活でよく悩まされるのが、文化の違いに起因する行動様式の違いです。
協力隊の方の中には、よく他人を自分の力で変えてやるんだと意気込んでいる人を見かけます。
しかし、私はこれまでの経験の中で、他人の性格まで変えるというのはかなり難しいと体感しています。
現地のその人も、身の回りの環境に合わせて育ってきたのであり、そこから人の性質を変えるのは無理でしょう。その人の人格を否定して、30何歳の人の性格を0から形成するのは傲慢な考えだと思います。
では、何もできないかというと、それはそうではないと思います。
人を変えるところを入口にするのではなく、
まず「人を動かす」ことから入っていくことです。
性格までは変えずとも、
ビジネスの環境に身を置くなら、それに適した行動を取ってもらう必要がありますからね。
これまで、4人のスタッフと過ごしてきて、
他人の動かし方(動いてくれる動機)は、三者三様(四者四様!?)。
・論理的に説明し、納得することで同調してくれる人
・小さなことでもいいのでまずは成功を生み出し、信頼を勝ち得ることを一緒に動いてくれる人
・プライベートで友好関係を築くことで、そのノリで一緒に動いてくれる人
・権威者からの指示によって動く人
実際にはそれらの総合的なもので動機づけされるのでしょうが、各スタッフの比重の高い要素が上のようなものです。
なんとなく分かると思いますが、その動機付けによって、成果となって表れるものは大きく異なります。
幸いにも、配属先PMCの新・旧上司は2人とも、上の2つだったので、活動をすごくサポートしてもらえました。
下の2つに関しては、定型外の業務を任せるのは慎重にならないとなりませんが、扱いはすごくラクです(笑)
ただ、「プライベートで友好関係を…」の方は、あまり仕事そのものが動機づけになっていないので、注意が必要だと感じています。。。
今、その点に一番頭を悩ませています。
しかし、日常的な関係づくりも、人材マネジメントに影響しうるということは大切な教訓ですよね。
人はそれぞれ長所・短所を持っていると思うので、それを活かせるように、人の動機づけも考えながら今後もうまく仕事をしていきたいです。
もう3月ですね。
会計年度を3月締めにしている会社は多いのではないでしょうか
というわけで、今日は、活動における予算について感じたことを、少し前の自分の経験と合わせて勝手に書いてみます。
協力隊員の活動の話を聞いていると、
「いかに金を使わずに活動を進めるか」
なんだか、そういう風潮を感じます。
もちろん、多くの場面でそれは大事です。
過大投資は避けるべきであり、身の丈に合った計画にすべきだということは、金融機関で働いてきた自分は十分承知しているつもりです。
しかし、それにとらわれ過ぎ、予算を使う計画には一律に否定的になっている印象もままあります。
つまり、投資すべきことにも消極的になってしまっている状況です。
経営においてチャンスの時には、資金をいかに有効に活用するかということも重要なのではないでしょうか。
もちろん資金を活用するということは、
投資になるだけでなく、単なる浪費になる可能性もあるので注意は必要です。
しかし、ちゃんとした計画・戦略の下では、「投資」となりうるのです。
そのことも、金融機関で働き学ばせてもらった、…はずでした。
しかし、私もある時まで、投資になるような資金の使い方を活動の中であまり考えてきませんでした。
カネがないという周りの声に流され、私自身も、いかにカネを使わないかという発想に囚われてしまっていたのだと反省しています。
キャッシュだけが資産を形成する要素ではありません。
組織の裁量の中で、いかにキャッシュを将来的に有効な資産に変えていくのか、それを考えていく必要があります。
日々の活動の中では、限りあるヒト・モノをいかに使うか、という問題に直面します。
それと同じように、限りある「カネ」をいかに使うか、も重要な課題なのです。
私は、PMCのビジネス組織としての維持力を勘案しつつ、
妥当性のある使途と、適正な資金効果を持った計画を活動の中で考えていく必要があるでしょう。
ちゃんと活動の中で、前職の経験も活かしていこうと思います。
さて、個人事業主のみなさん、3月15日までに確定申告を!!