東南アジア最後の秘境と呼ばれるラオス。そのラオス北部の都市、ウドムサイから綴る日本人のブログ。 PMCという特産品(クズやシナというラオスでも稀少な産品を素材に使った製品など)を扱うショップで、ボランティアとして日々何かしらに奮闘しています。
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帰国まであとおよそ2カ月。
任地を離れるのはあと58日。
営業日で言えばあと41日。
もう任地を離れなければならないんだなぁと思う瞬間がいくつかあります。
それを勝手に紹介します。
1.活動先PMCに私の引継ぎのためのスタッフが入ってきた。
2.そのスタッフへの引継ぎ計画を作っていて、残り日数の少なさに驚く。
3.首都ビエンチャンに1週間ほど出張に行っていたら、配属先産業商業局スタッフに、もう帰国したものだと思われていた。
4.雨で家に引きこもって外食を控えていたら、よく行くレストランや屋台のお母さんに、もう帰国したものだと思われていた。
5.今まで全然誘ってこなかった大家さんに、やたら夕食に誘われる。
そして食事中、次の入居者へのアピールがずっと続く。
6.前職の上司・先輩・友人から、「もうすぐ帰国だね」とメールをもらう。
7.いろいろな村の生産者グループのお母さんに、「あと2カ月で帰っちゃうんだね。また来てね。」と言われ、切なくなる。
こうして見ると、本当にいろんな人にお世話になって現在の自分がいるんだな、と気づかされます。
今の場所もすごく居心地はいいですが、
次のステージで働きたいという想いも強くあるので、あと2カ月でここを去らなければなりません。
業務に対するやり残し感は正直ありませんが
何気ない瞬間に、なんだかいろいろ切なくなりかけているラオス生活です。
ただ、残り2カ月も充実させて、日本に帰国したいと思います。
PMCのスタッフは、やるべきことを上書きしていくのが苦手な印象です。
つまり、ひとつのことをやるようにお願いした後に、
それが終わらないうちに別のことをお願いすると、
最初にお願いしていたことが途中で終わっていつの間にか忘れ去られてしまうことが多いです。
特に、それがひとつふたつのうちはまだいいのですが、
3つくらいのto doが重なってしまうと、何をやるべきか分からなくなってしまいます。
ただし、ここ2年間の観察の結果、
複数のタスクがあったとしても、
「これが終わったら次はこっちをやってね」、というように優先順位をつけた仕事は割とこなしているように感じます。
そこから考えられるのは、
複数のタスクをこなすのが苦手というよりも、
増えたタスクを頭の中で、ひとつのto doリストに整理・まとめることができていないのだと思います。
私も頭の中でそれらを整理しきれなくなる時が多いのですが、
私は紙に書き出すことによってto doを整理しています。
おそらく人の記憶力というのは、押しなべて個人によってそこまで大差はないと思います。
ですので、to doが整理さえされていれば、
上書きされていくタスクにきちんと対応できると考えています。
現在の仕事への対応で言えば、
あるスタッフに別の何かをお願いして仕事を追加で増やしていかなければならない時には、
その新しい仕事を伝えるだけでは十分ではありません。
その時点でストックとして何のタスクがあるのかを整理し直す必要があるでしょう。
つまり、追加したタスクを相手に上書きで覚えていくように一方的にお願いしていくのではなく、
現状でこれを累積でお願いしているという、新たなto doリストを作成するようなことが必要だと考えています。
少し面倒になりますが、
こちらの整理にもなりますし、相手との再確認もできますので必要な行為だと思っています。
これは日々のto doの整理だけでなく、お客様のオーダーの管理でも有効です。
特に、リードタイムが長いので、その間に新たに同じお客様からオーダーをもらうこともよくあります。
そうした時に、確認の意味で現状の累積のオーダーをまとめると、
お客様も安心できると思いますし、こちらのオーダー担当のスタッフも抜かりなく仕事を進められやすくなります。
なかなか本人に自分からそういう風にやってくれと伝えるのは難しいですが、大事なことだと思いますので、なんとか習慣化できたらいいな、と勝手に思っています。
少なくとも、自分が仕事を振る時はそうやると、
ミス・失念のリスクを大きく減らせる方法だと感じています。
ラオスでバイクに乗っていてよく起きるトラブルが、タイヤのパンク。
私はこの2週間で、前輪タイヤが3回ほどパンクしました。
そんな自分が、ラオス人から教えてもらったパンクを予防するための意識が2つあります。
① 可能な限り、道路の凸凹(穴の開いたところ)を回避する運転をし、バイクへのダメージを避ける。
② タイヤのチューブは、中国製ではなく、タイ製のものを使う。
①については、当然そうだと思うので、説明は割愛します。
②についてですが、ウドムサイでは、
タイヤチューブはタイ製のものと、中国製のものが手に入ります。
しかし、どうやら中国製のものはかなりパンクしやすいとのことです。
(ただ単にチューブの品質に対するウドムサイの人の一般的な意見です)
私も今回チューブを交換して、3日でパンクしたのは中国製。
(乗ったのは2日目。)
しかも、何かを踏み抜いたとかではなく振動もあまりなく普通に運転していただけなのですが、空気を入れる金具との接続面がちぎれてしまっていました。
山の中でパンクすると悲惨な状況が想定されるので、
事前の準備、点検はしっかりやって、バイクによる活動を効果的なものにしていきたいです。
自分への警告も兼ねて、ちょっと批判的なことを書きます。
青年海外協力隊の活動での悩みや体験談で書かれることの多いフレーズのひとつが、
「現地の人を活動に巻き込むのは難しい」
という言葉です。
確かに私も配属先スタッフを活動に巻き込んでいくのに苦労していますが、
この言葉は、もっと短絡的に、上手くいかない理由を途上国のせいにして語られている気がします。
そもそも私が思うに、
人を動かすというのは、日本でもとても難しいことです。
自分が策定したプランを相手に納得して採用してもらう、自分の計画に協力してもらう、というのはなかなか容易ではありません。
プランに対する論理的な説明、聞き手を引き込むプレゼン力、そもそもの人間関係の構築(信用)、、、
さまざまなものが要求されます。
表向きは納得してくれたように見えても、
実際には心に落ちておらず、返事だけで行動に移してもらえないなんていうこともありました。
そういう日本での出来事を振り返ると、
日本でも人を動かすというのは簡単ではないことだと感じています。
ちょっと偏見も入りますが、
途上国でそういう愚痴を簡単にこぼす人に限って、
日本での経験がないのにかかわらず、日本と途上国を比較して考えようとしていることが多い気がします。
以前、マネジメント業務についても同じようなことを書きましたが、実務に対する意気込み(自分の理想)とスキルとの間にギャップがあるために、うまくいっていないというケースが多々あると思っています。
つまり、今までのキャリアにおいてスキルも経験もないことなのに、
なぜか途上国では相手に対して無理やり推し進めようするケースです。
マネジメントにおいても、人を巻き込むことについても、
スキルも経験も知識もなければ、それはうまくいくことは難しいと思います。
先も書いたように日本でも難しい事なので、
言葉も文化も違ったら、それはなおさらことそうでしょう。
断わっておきますが、
私はチャレンジすることが悪いことだとは思っていません。
チャレンジしなければ何事も初めの一歩が踏み出せませんし、
協力隊はまさにそういうチャレンジの場の固まりだと思っているからです。
むしろ自分を磨くためには、どんどん新しいことにチャレンジしていかなければなりません。
問題なのは、チャレンジして失敗した時の対応(心持ち)です。
今回の記事で書きたかったのはそこのところで、
失敗した理由を、周りの環境のせいにしていないか、ということです。
つまり、主要要因はそこではないのに、
途上国での活動、文化の違い、という環境を絶好の言い訳にして、
自らの経験・スキルの不足について反省をしていないのではないかということです。
確かに、途上国での活動というのは、想定しえない、笑いたくなるような事態が度々発生します。
しかし、それらの外部環境のせいにするのではなく、
まずは自分自身の反省をすることも必要なのではないでしょうか。
先程と同じリンク先になりますが、
「どんな状況でも何とかしてみせてこそ、プロの仕事」だと私は思っています。
確かに、途上国で誰かを巻き込んで仕事をするというのは非常に難しいことです。
だからこそ、そういうスキルを学ぶ最大のチャンスだと思って、日々工夫を重ねて活動に取り組んでいきたいと思っています。
青年海外協力隊員の中には、その国際協力の想いを形にして、
将来は自分で事業をやりたいという人をけっこう見かけます。
また、協力隊活動中もいろいろなことを企画してやりたいという積極的な話をよく耳にします。
それらについて前職にいた時に、
二宮尊徳の言葉の中に激しく共感したものがありました。
そこで、今日はその言葉を紹介したいと思います。
「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」
国際協力とか社会貢献という、その志の高さは大変素晴らしいと思います。
でも、気持ちだけではうまくいかないことも知っておいてもらいたいです。
事業を始めるな、というわけでは決してありません。
しっかりと準備をして成功してほしいと願っています。
事業をやるというのはすごく難しいことです。
今まで、事業をやっている人に携わってきたからこそそう感じます。
がんばっていても、なかなかそれが報われないことだってあります。
そういう人、企業を見てきたからこそ、しっかりと準備することが大切だと思っています。
想いだけでは、事業は進められません。
事業者になれば、自分ですべての責任を取らなければならなくなります。
その重みを感じ、気持ちだけでなく、経営、金融、マネジメントの知識やスキル、経験、…等、
会社のすべてを担うために、必要最低限のレベルでいいからそういったものを身につけなければならないでしょう。
私は、それこそが、創業についてのその尊い使命感を、社会で実現させる道になると信じています。