東南アジア最後の秘境と呼ばれるラオス。そのラオス北部の都市、ウドムサイから綴る日本人のブログ。 PMCという特産品(クズやシナというラオスでも稀少な産品を素材に使った製品など)を扱うショップで、ボランティアとして日々何かしらに奮闘しています。
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うちのラオス人スタッフが職場で嫌な仕事を振られたときにそれを断わるために使う一言が、
「ミー ビアック(用事がある。)」
※ミー=ある ビアック=用事
※タイトルの「ミー ビアック ニャン?」=「何の用事?」という意味です。
急にニャンと言って、かわいい子ぶったわけではありません。
もしくは、
「カービアック(忙しい。)」
このビアック(用事)という言葉、意味がいろいろ広いから厄介。
職場で使われれば当然、何か大切な仕事を抱えているのかと思ってしまいます。
しかし、一番仕事をやってほしいという人に限って、
そのビアック(用事)は、キンビア(ビールを飲むこと)だったり、サッカーだったりします。
「カービアック(忙しい)」と言った彼のやっていることがPCゲームだった時には、「ビアック(用事)」という言葉の奥深さを知りました。
おそらく「何かやるべきこと」という意味を含みながら、単に「何かやること、やるつもりのこと、何となくやること」という広いニュアンスもあるのだと思います。
実に便利な言葉。
私個人的には、仕事が終わっているなら、別に仕事の時間であろうと何をやろうと口を出しません。
ただ、仕事があるなら仕事をやってほしいというのが、本音のところです。
そんな時、本当にそのスタッフが、カービアック(忙しい)かどうか見極める方法があります。
「ペタンク(ラオスで人気のスポーツ?)をやっているから、やりに行こう!!」
と言ってみます。
この言葉につられて手を挙げてしまうのは、まだ余裕を持っている証拠でしょう。
すぐにオフィスを離れられるそのスタッフに関しては、そのフットワークの軽さに惚れ惚れします。
その軽快さを是非、仕事の場面でも見てみたい。
まぁ、こうして仕事をしているふりはすぐに見破れますし、
その人の余裕度と意外な潜在能力を見ることができます。
一方、本当に仕事を抱えているスタッフは、
「カービアック ノイヌン(ちょっと忙しいの)」と言って、残って仕事を続けていきます。
この「ノイヌン(ちょっと)」という言葉の言い回しに日本人との類似性を感じながら、言葉とは逆に「本当に忙しいんだな」と理解できます。
うちのスタッフでは、各メンバーで毎回同じような反応の結果になってしまいます。
個人のペタンクの好き具合にも多少はバラつきがあったり、仕事の処理能力の違いがあったり、常に余裕をもって仕事のできる頼りになるタイプだったりする可能性も推察案としてはありますが、単に仕事の量の違いのようです。
それらをうまく平準化できれば、それこそラオス人がよく言う「スワイカン(助け合い)」が進み、組織としての効率性が高まると思っています。
各人の仕事量は把握しているつもりなので、あとはそのスタッフの力量と余裕に合わせて、仕事の割り振りを今一度考えてみようと思います。
天然染色の中でも、青色を出すのが一番厄介だと言われています。
その理由としては、
青は「藍」を染料にするのですが、藍の青色の色素は、他の植物と違って煮立たせてみても染色できないためです。
これは、藍の青色の色素は、不溶性(水に溶けない性質)だからです。
そのため、藍は発酵させ、還元&酸化を利用して染色しなければなりません。
そこで溶液をアルカリ性にする必要があり、化学物質を加えずに管理するのには手間がかかってしまうのです。
しかし、その代わり、色素が溶け出しにくいので、藍染には色が抜けにくいという特性があります。
そんな手間のかかる藍染ですが、私の任地のウドムサイでは、すべての工程で化学物質に頼らずに染色する技術が残っています。
※“おそらく”と断っているのは、私はこの分野はラオスに来てから勉強した程度なので、専門家の確証が必要です。
今日は、そんなウドムサイの藍染の工程を紹介いたしします。
気温などによって漬け込む日数は変わりますが、だいたい3~5日間。
こうすることで、藍の色素の配糖体(インジカン)と酵素が溶け出てくるそうです。
葉っぱの色がかなり濃い緑に変わっています。
溶液をアルカリ性にし、酵素の活動を活性化させて発酵を促します。
その結果、水素の発生→還元の開始→藍の色素が生成されます。
「撹拌」と呼ばれるこの作業。溶液に空気を多く触れさせることで、上記2の発酵&還元を促します。
この過程を経ることで、藍の色素が生み出されるのです。
4.こうして生み出された藍の色素は水に溶けないので、時間が経つと、容器の底に沈殿します。
そこで、上澄みの液を掬い取って捨てていくと、底に藍の色素が溜まっていきます。
5.ここでまたしばらく放置→4の作業を繰り返すことで、
液体の部分が少なくなっていき、藍の色素が濃縮された泥状のものが出来上がります。
こうして泥藍はでき、染色に利用することができます。
そして、いよいよ染色の過程に移ります。
染色の過程でも問題になるのが、藍の色素が不溶性であるということ。
そのままでは、コットンに色素を定着させることができません。
6.そこで、溶液に石灰石や木灰を入れてアルカリ性にし、再び還元を引き起こすことで、藍の色素を水に溶け出させます。
7.6の過程(アルカリ還元)によってコットンに色素を定着させたら、干します。
これはただ乾かしているだけではなく、空気により酸化を行い、藍の色(青色)を出しているそうです。
8.ちなみに1回だけでは薄い色しか染色できないので、6→7を何度も繰り返すことで、濃い藍色をつくることができます。
けっこう長くなりましたが、それだけ藍染は手間と知識が必要なようです。
ラオスに来る前には想像していなかったいろいろなことを学んでいます。
先週末に行ってきました天然染色体験。
それを基に、ウドムサイの基本となる染色植物とその染色方法をまとめてみました。
一部調査未了のものあり、時期的に採集不可のものあり、専門家の確認未了の状況ですが、参考程度にはなるものかと思います。
今回は、天候の問題もあり、染めの工程の回数が1~2回と少なかったために色が薄いものが多いですが、繰り返し染色をすると色はもっと濃くなっていくそうです。
※染料植物についてはこちら⇒ダウンロード(PDFファイル1.52MB)
ラオスだけでも、ウドムサイだけでも、
もっと染料植物があるのは承知しています。
今後は、これを基に、
再度学名などを調査&まだ見ていない染色の情報を加えていきたいと思っています。
ちなみに、前回お尋ねしていた「ビン」という植物の件ですが、
染色の状況からアカネ科or葉っぱの付き方からマメ科ではないかという推察になっています。
情報をいただいた皆様、どうもありがとうございます。
先週の染色に使った植物なのですが、
そもそもラオスだけにある植物という可能性もなきにしもあらずですが、
万一そのような場合でも学名はあるかと思います。
ラオス語で、「ໃບ ບິນ(ビン)」と呼ばれているこの植物。
ただ、花や実もない(時期的なものなのかどうかも分かりませんが。)ので、
どうでもいい情報かもしれませんが、
緑の葉っぱを潰して、赤系の色になる不思議。
どうぞよろしくお願いします!!
今週末は、木・金・土の3日間の日程で、
天然染色のトレーニングに行ってきました。
バイクで45分くらいで着き、すでに顔なじみの村です。
しかし、いつもと違うのは、
今回のトレーニングの対象は、、、私。
この村のお母さんに、
染色植物を採集しに行くところから、一から染色の工程を教えてもらってきました。
まずは、楽しく談話しながら染色の材料となる植物を採りに行きます。
山の中に入っていきます。
そして、採集してきたのがこちら。
学名をこれから調べる予定のものはラオス語で失礼します、
左からビン、藍、カバオ。
染色植物かではなく、おやつ(キンソム)でした。
そういうことが度々起きるので、毎回これは染色のためか食べるためかを尋ねながら、採集は進みました。
染色には使いません。
そして、ここからは染めの工程に入ります。
染色した糸は、この川で洗います。
(中略)
いろいろやって、
染色が終わったものがこちら。
草木だけでいろんな色が出ます。
この優しい色合いがいいですね。
このブログ記事では、詳細は割愛していますが、
これから配属先用に、染色材料の紹介や染色の工程を説明したシートを作るつもりです。
ラオス語とラオスの植物に精通している方がいらっしゃれば、いろいろ教えてください。
まだまだ教えてもらうことの多いラオス生活です。
お母さん、いつもありがとう!!