東南アジア最後の秘境と呼ばれるラオス。そのラオス北部の都市、ウドムサイから綴る日本人のブログ。 PMCという特産品(クズやシナというラオスでも稀少な産品を素材に使った製品など)を扱うショップで、ボランティアとして日々何かしらに奮闘しています。
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カネがない。モノがない。だから、昔からあるハンディクラフトしか売るものがない。
…そうとらえられると、ハンディクラフトは時代に遅れた製品、かわいそうだから買ってあげるものになってしまいます。
でも、この伝統の技術は、大量生産用の機械では決して生み出せない価値を持っていると思います。
その価値がどういうものなのかを、理屈や理論で説明するのは今の自分には難しいです。
しかし、そういう作業を見てすごいと感動したり、わくわくしたりする単純なその感情が、きっとその価値の答えなんだと思います。
今回、私の配属先の対象コミュニティで、製品の生産過程を動画で撮影してきました。
それを、Facebookで紹介しています。
商売抜きで面白いと思うので、一度見てみてください。
配属先PMC Facebookページ⇒https://www.facebook.com/pmc.oudomxay
(記事投稿)
11月4日 葛のバッグを伝統的な技法で編んでいくシーン
11月10日 植物の葛から繊維を抽出するシーン
11月18日 抽出した繊維を、糸状に縒っていくシーン
11月25日 バッグのストラップ部分を編むシーン
よく事例に挙げられるものですが、
とある、靴を履く風習のない国への、靴の市場調査。
調査員A:「ここでは靴は売れない。みな裸足で歩いているから、靴の使用はしない。」
調査員B:「この国は、可能性のある市場だ。革新的に靴を広めることができる。」
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全く同じものを見ていても、その結論は大きく異なっています。
一般にはBの判断を勧められる風潮があるようですが、Aの判断を下すことも、私は正しい判断だと思います。
どちらの選択が正しいかは、結局のところ結果を見てみないと分からないかもしれません。
ただ、その判断をする上では、Bの可能性も検討している必要があると思います。つまり、同じ答えを選択した場合であっても、それしか答えがないと思って選択するのと、いくつかの選択肢の中から選択するのとでは、稟議の質が違うでしょう。
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話が逸れてしまいましたが、これはリフレーミングと呼ばれる発想法のひとつの事例です。
見方によって物事のとらえ方は変わるので、あえて別の視点で、新しい見方で物事をとらえようというものです。
うちの営業活動に活かせば、
① バッグを扱っている店に、営業をかけた方がいいのではないか
② まだバッグ等の小物を扱っていない店に補完的な提案をした方がいいのではないか
もっと広い視点で見れば
③ アパレルを扱っている店に営業をかけるか
④ アパレルは扱っていないが、別ジャンルですでに流通網を持っている店に営業をかけるか
と言った、発想の広がりができるかもしれません。
また、もっと他にも別の選択肢はあるかもしれません。
いずれにしても、可能な限り広い視野で、柔軟な発想で活動は考えていかなければならない、と最近のマーケティング活動を考えています。
ラオスに来て活動を始めてから、「学生時代にあれをやっておけば良かった」「これをやっておけば良かった」と思うことがすごく多いです。しかし、そういう必要性も、ラオスに来た経験があるからこそ、感じるものなのかもしれません。
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最近、配属先の人たちに新しい活動(経営知識・スキル等)を教える方法について考えさせられています。一部の人を除いて、やはり新しい概念を理解してもらうことはすごく難しいです。
しかし、その中でまずはやらせてみることが大事だと、強く感じてきました。
日本は、やたら理論を先に教えたがる傾向があると思います。かく言う私も、理論はすごく大事にしていました。
「意味も分からずにやることに、意味があるのか」と。
しかし、初めは頭で考えてできなくても、とりあえずやってみた経験から学ぶこともある、と最近考えています。
たとえば、スポーツの指導の場面でも。
子供たちはコーチに「こうやってやるんだ」と言われ、その技術を身体に染み込ませていきます。初めはただ言われたことをやっているだけかもしれませんが、確かに技術を向上させることができます。そして、成長するにつれて、段々と自分でその意味を理解し、自身の課題に気づき、技術・知識が深まっていきます。
また、日常生活の場面で言えば、新しいスマートフォンを手に入れた時。
最初にマニュアルをすべて読み込んでしまうよりも、まずは操作してみる人が多いのではないでしょうか。そして、そのうちにマニュアルと読み合せ、より多くの機能を引き出せるようになっていく。。。
本当に正しいと確信していることならば、
初めに無理やり理論を詰め込むよりも、まずはやらせてみて、
身体に叩き込んでしまう、その経験から学んでもらうというのも大事なのかもしれません。
継続的な組織・個人の進化のためには、最終的にはやっぱり理論も不可欠です。
しかし、その前に型にはめてみるのも効果的な気がしている最近です。
国際協力の分野では長期的な視点に立った結果を求められますが、私は、活動の中で短期で結果を出すことも必要だと思っています。
その理由は、「理論の証明」と「信頼の獲得」、そして「成功体験」のためです。
たとえば、ある目的のために、ひとつの戦略行動を策定したとします。
それは2年後から成果が徐々に表れると予測され、策定した自分はそのことを確信しています。
しかし、その戦略に則ってプロジェクトを動かす人たちは、その本人と同じ確信を持っているかというと、必ずしもそうとは言えないと思います。
そうした中、成果が表れるまで2年間、その戦略を信じて活動に専心するのは難しいかもしれません。いつまでも結果が見られないと、疑心暗鬼になってしまうでしょう。
しかし、ここでもし同じロジックで組み立てた戦略で、短期で成果を感じることができたならば、少し状況が変わると思います。
つまり、そのロジックの正しさが証明され、その戦略の発言自体の信頼性が高まります。すると、当初描いた戦略の信頼にもつながってくるでしょう。
また、そのプロジェクトを進めていく自信になるかもしれません。
このように、戦略行動をとってすぐに結果を出すということは、「信頼」につながる大事な要素だと、私は感じています。
卑近な例で失礼しますが、配属先でレイアウトを大幅に変えた時のことです。
これは、顧客動線を意識し、長期的に結果を残すための戦略のひとつでした。
しかし、レイアウトを変更した翌日に観光客が来た際、私が説明していた意図の通りに顧客が動いてくれました。
これによって、このレイアウトの戦略は間違っていないんだという、スタッフからの信頼が得られました。
他にも、商品配置を指摘した際や、カタログの作成などの折に、すぐにお客さんからリアクションを得られました。
タイミング良く来店客があったという運の良さもあるのですが、このようなすぐに出せた成果によって、私はわりと早い段階で上司からの信頼を得られたと感じています。
そして、このような小さな経験であっても、現地スタッフにとっては「自信」につながっていきます。つまり、小さくても成功体験を積み重ねることで、活動に対してポジティブになれるのです。
協力隊活動では、ボランティアがひとりで頑張りすぎてはいけないと言われています。
活動の主役は、現地の人でなければならないからです。
そこで、私がやり過ぎない方がいいなと判断する仕事を振られたときの必殺発言が、「きかーん」です。
JICA事務所の方に見られているとなんか嫌ですが、
この言葉の意味は「めんどうくさーい」という意味です。
勘違いがないように言っておきますが、
ほ、本当はやりたい気持ちも山々なのですが、断腸の思いで、
「めんどうくさーい、自分でやって!!」と言っています。
ホ、ホントなんだからね!!
たいていの場合、これによって自分自身でやってもらえます。
正直、これは許されるキャラというのがあると思います。
特段、キャラ設定した記憶はないのですが、それが許されるキャラになっていました(笑)
それが一番難しいかもしれませんが、これが使えると活動がラクに進められると思います。