東南アジア最後の秘境と呼ばれるラオス。そのラオス北部の都市、ウドムサイから綴る日本人のブログ。 PMCという特産品(クズやシナというラオスでも稀少な産品を素材に使った製品など)を扱うショップで、ボランティアとして日々何かしらに奮闘しています。
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天然染色の中でも、青色を出すのが一番厄介だと言われています。
その理由としては、
青は「藍」を染料にするのですが、藍の青色の色素は、他の植物と違って煮立たせてみても染色できないためです。
これは、藍の青色の色素は、不溶性(水に溶けない性質)だからです。
そのため、藍は発酵させ、還元&酸化を利用して染色しなければなりません。
そこで溶液をアルカリ性にする必要があり、化学物質を加えずに管理するのには手間がかかってしまうのです。
しかし、その代わり、色素が溶け出しにくいので、藍染には色が抜けにくいという特性があります。
そんな手間のかかる藍染ですが、私の任地のウドムサイでは、すべての工程で化学物質に頼らずに染色する技術が残っています。
※“おそらく”と断っているのは、私はこの分野はラオスに来てから勉強した程度なので、専門家の確証が必要です。
今日は、そんなウドムサイの藍染の工程を紹介いたしします。
気温などによって漬け込む日数は変わりますが、だいたい3~5日間。
こうすることで、藍の色素の配糖体(インジカン)と酵素が溶け出てくるそうです。
葉っぱの色がかなり濃い緑に変わっています。
溶液をアルカリ性にし、酵素の活動を活性化させて発酵を促します。
その結果、水素の発生→還元の開始→藍の色素が生成されます。
「撹拌」と呼ばれるこの作業。溶液に空気を多く触れさせることで、上記2の発酵&還元を促します。
この過程を経ることで、藍の色素が生み出されるのです。
4.こうして生み出された藍の色素は水に溶けないので、時間が経つと、容器の底に沈殿します。
そこで、上澄みの液を掬い取って捨てていくと、底に藍の色素が溜まっていきます。
5.ここでまたしばらく放置→4の作業を繰り返すことで、
液体の部分が少なくなっていき、藍の色素が濃縮された泥状のものが出来上がります。
こうして泥藍はでき、染色に利用することができます。
そして、いよいよ染色の過程に移ります。
染色の過程でも問題になるのが、藍の色素が不溶性であるということ。
そのままでは、コットンに色素を定着させることができません。
6.そこで、溶液に石灰石や木灰を入れてアルカリ性にし、再び還元を引き起こすことで、藍の色素を水に溶け出させます。
7.6の過程(アルカリ還元)によってコットンに色素を定着させたら、干します。
これはただ乾かしているだけではなく、空気により酸化を行い、藍の色(青色)を出しているそうです。
8.ちなみに1回だけでは薄い色しか染色できないので、6→7を何度も繰り返すことで、濃い藍色をつくることができます。
けっこう長くなりましたが、それだけ藍染は手間と知識が必要なようです。
ラオスに来る前には想像していなかったいろいろなことを学んでいます。
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