東南アジア最後の秘境と呼ばれるラオス。そのラオス北部の都市、ウドムサイから綴る日本人のブログ。 PMCという特産品(クズやシナというラオスでも稀少な産品を素材に使った製品など)を扱うショップで、ボランティアとして日々何かしらに奮闘しています。
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今回は、マーケティングの4つの要素(4P)のうち、Price(価格戦略)を取り上げます。
価格戦略と聞くと、売上増加のために販売単価の引き下げを思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、価格競争になれば、なかなか大企業に勝つことは困難です。
また、単価を落として売上を維持できても、いつも利益を生むとは限りません。値下げをすることによって、利益が小さくなってしまう可能性もあるのです。
たとえば、
年商1,000万円で原価率70%の小売業B社が、5%の値下げを実行したとします。
さて、B社は同じ利益を得るためにどれくらい販売量を増やせばよいでしょうか。
ここで、5%販売量を増やせばいいと考えてしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、答えは違います。B社は、5%値下げをしたことにより利益率が低下し、20%も販売量を増加させなければならないのです。安易な値下げは、収益を悪化させる要因にもなりうるので注意が必要です。
さて、消費者が感じる心理的価格には「名声価格」というものがあります。
ブランド品や高級品に対し、そのステータスを保つためにつけられる価格のことです。人々は高価格であっても、上質で優れた品質の商品は購入しようとするのです。もちろん、これには競合他社が容易に参入できないような差別化が必要です。
しかし、個性や多様性といった側面に強みを持つ企業にあっては、付加価値を追求し、勇気を出して価格戦略に飲み込まれないことも大切なのではないでしょうか。
今回は、マーケティングの4つの要素(4P)のうち、Product(製品戦略)について説明します。
製品戦略と聞くと、「新製品の開発」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
もちろん、新製品の開発は、経営戦略の重要な手段のひとつです。しかし、製品戦略において一番大切なことは、お客さんのニーズに合わせて製品を提供することです。
お客さんのニーズがなければ、新製品の開発も無駄になってしまいます。画期的な新技術を開発したので事業化したいという経営者の方は多くいます。しかし、技術がいくら優れていても、それがお客さんのニーズに応えていなければなりません。
その例として有名なのが、家庭用ビデオの規格です。
画質の美しさという面で技術的に優れたのはベータ方式でしたが、市場に浸透したのはVHS方式でした。これはVHS方式の方が、「画質はそこそこでも録画時間が長い方がいい」という市場ニーズに応えていたことが要因でした。いくら技術的に優れた製品でも、必ずしもお客さんが欲しいと思う製品にはならないのです。
逆に、人々のニーズに応える工夫があれば、「時代遅れ」と思ってしまうリヤカーを商品としていても注目を集めている会社があります。
長崎県にあるA社は、使い勝手の良いリヤカーを開発して、宅配業者への販売が好調です。これは、路上駐車に対する取り締まり強化や環境に配慮したいという宅配業者のニーズに応えた結果なのです。
経営の原点でもありますが、製品戦略は真新しいものを目指すのではなく、お客さんのニーズを掴むことが第一なのです。
※企業事例については、
日本政策金融公庫総合研究所編『新たなターゲットを拓く―小企業の販路開拓戦略―』から引用しております。
前回は、マーケティングという用語からいろいろ語ってしまいました。
そこで、以前マーケティングについて自分でざっくりと書いたものがあるので、備忘録のために投稿いたします。
全6回で4Pについて書いたものです。なので、これもマーケティングの一部に過ぎません。
また、当初は中小企業向けに書いたものなので、一部を変えています。
もし、興味のある方がいましたらお付き合いください。
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現在、企業を取り巻く環境は厳しくなっています。しかし、売上低迷の原因を不況(外部環境)のせいだけにしていては何も始まりません。
そのような厳しい環境の中で生き残るためには経営戦略を立てることが大切です。そして、そうした能動的な経営戦略のひとつに「マーケティング」があります。
マーケティングは、①市場機会を分析し、②標的市場を選定して、③マーケティングミックスを実行・管理するという手順で進めていきます。
① 市場機会の分析により、自社の強み・課題を知り、外部環境に沿った戦略の方向性を決めていきます。この分析方法も、種類は数多くあるのですが、私は活動先のPMCではSWOT分析を利用しています。状況に合ったものを利用することをお勧めします。この分析が正しくできていないと、ただ闇雲に活動を進めてしまい、何をやっているのかor何をやったらいいのか分からなくなってしまいます。
② 標的市場の選定とは、どういったお客さんをターゲットにしていくかを決めることです。消費者全ての人々のニーズに同時に応えることは困難であり、また、経営資源には限りがあります。そこで、限りある経営資源を有効に活用するために、ターゲットを絞ることが必要なのです。
③ 最後に、マーケティングミックスとは、マーケティングの4つの要素(4P:Product(製品)、Price(価格)、Place(チャネル)、Promotion(プロモーション))の適切な組み合わせのことです。これを正しく実行・管理していくことで、マーケティングの目的は達成されるのです。
今回の投稿は、ちょっと個人的な経験とリンクするものがあって書いています。なので、私見が強くなってしまっていることを予め断っておきます。
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とある協力隊活動が載っている少し前の雑誌を読んでいて、その中で、ちょっと気になる事例があったので、紹介します。
そこに書いてあった記事を要約すると、
「カウンター・パート(以下、CP)もマーケティング、マーケティングと言うけれど、マーケティングの意味を勘違いしているので、私はプロジェクトを進めるのが大変。」みたいなものが書かれていました。
他者を批判するのはよくないと思いつつも、私はこれを読んだ時に、この人の方がマーケティング理解について問題のある人だな、と感じました。
実は、マーケティングという言葉はよく耳にするものですが、定義が曖昧だったりするのです。
業界によっても違いますし、同じ業界でも企業によって使う意味が異なったりします。
たとえば、
新製品の開発などをする時に、マーケット(商品市場)の調査・分析をすることを「マーケティング」と言います。
また、販路拡大の戦略を実行する時にも「マーケティング」と言います。
こういう定義があいまいな言葉はけっこうあり、
複数の企業でミーティングをするときには、最初にその言葉の定義を確認してから、話し合いを行ったりすることもあります。
これを書いた人は、それまで自分が少しだけ身を置いた製品開発の世界で使われていたマーケティングと言う言葉が、唯一無二の意味を持つものだと考え、販路拡大の意味で使いたかったCPのことを理解できなかったのです。
今回のケースは、CPの問題ととらえていますが、当人がマーケティングの意味の広さを知らずに、定義の共有ができていなかったことこそが原因だと思われます。
マーケティングに様々な意味があることを知らずに、自分が絶対的に正しいと思ってしまった。その当人の知識の狭さ、浅さが今回の問題のひとつにあるのではないでしょうか。
さらに、もっと問題視すべきは、意味を共有できなかったときに自分の考えを押し付け、CPに歩み寄ろうとしなかったことだと思います。
たとえ、マーケティングに様々な意味があることを知らなくても、相手に歩み寄ろうという姿勢があれば、双方の定義の違いに気づけたはずです。
今回のケース、推し進めようとしていた方向性が違ったので、相手の無知を口実に、自分のやりたいことを自分の定義で推し進めたという印象でした。
言葉だけに頼らず、お互いの真意を理解できるような形で活動は進めないとですね。
これは、途上国で働く私には同じような状況を多く迎える気がします。
そこで、意味が曖昧な言葉の問題を解決していくためには、以下のプロセスが必要であると考えます。
① 相手との違和感に気づく
② 自分がどういった意味でその言葉を使っているのかを明確にする(言いかえる)
③ 相手がどういった意味でその言葉を使っているのかを明確にする(言いかえる)
④ 共有する
まぁ幸か不幸か、頼る言葉に自信はないので、お互いに簡単な言葉に言いかえはできていますが(笑)
マーケティング以外にも、同じようなケースは多々あるかと思います。
偉そうに語ってしまいましたが、自分にこれができているかどうかはよく分かりません。
相手とそれを通じた第三者の目からでないと判断は難しいですので。ただ、できていたいですね。
相手と自分と、すべてを共有することは難しいですが、少なくても相手との違和感に気づき、相手に歩み寄れるような活動姿勢をとっていきたいです。
タイトルで言いたいことは、ほぼ言えました。
オリジナルの原稿ファイル(PDFファイル)
⇒http://ajrl.la/ajrl/kaihou/2014ajrl2.pdf(6ページ目です)