東南アジア最後の秘境と呼ばれるラオス。そのラオス北部の都市、ウドムサイから綴る日本人のブログ。 PMCという特産品(クズやシナというラオスでも稀少な産品を素材に使った製品など)を扱うショップで、ボランティアとして日々何かしらに奮闘しています。
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来週4月14日(火)~16日(木)は、ピーマイ・ラオ(ラオス正月)です。
ラオスでは、新年というと、1月1日の国際正月よりもこちらのピーマイ・ラオを指します。
※昨年のブログ記事も参照してみてください。
今年の暦では、火・水・木曜の3日間が正月休み。
(日本の三箇日のようなものでしょうか)
となると、自然にその前後の月曜と金曜も、みんな自主的に休みにします。
となると、土日もくっつくので、その前の週である今週末からすでに正月モードに入り、勢いそのままに今月末くらいまでその正月モードが続きます。
という訳で、私の職場でも、昨日みんなでピーマイ・ラオのお祝いをしてきました。
局長に水かけ(室内)
水を掛けるのに使っている榊のようなもの
再び、水かけ
屋外はちょっとワイルドに
子供は水鉄砲で参戦
写真を撮っていてもお構いなし
最終的にはこうなります
いろいろあって、今年も任地にいることになったピーマイ・ラオ。
最近の記事にも書かせていただいていますが、現在、配属先の決算資料の様式を整えています。
決算書というのは、おそらく配属先スタッフが考えているよりも、組織の運営管理のためにはるかに重要なものです。
日本でも、決算書はただの税金申告のための書類ではありません。
企業の現況を正しく理解するためのものです。
企業は、「ヒト・モノ・カネ」だとよく言われます。
決算書は、一見カネの動きだけを表すように感じます。
しかし、ヒト・モノ・カネは複雑に関係しており、決算書はそれらの動きを表してくれています。
そのため、決算書という定量的な数字だけでも、ある程度の企業実態が把握できたりするのです。
そこまでできなくとも、
経営者として会社の数字が理解できなければ、適切な経営判断ができないでしょう。
何が会社に利益をもたらし、何が足を引っ張る要素になっているのか。
あるいは、目標に対して会社経営がどのように進んでいるのか。
それらを決算書は教えてくれます。
決算書は直接お金を生むものではありません。
しかし、合理的な経営判断、経営戦略の設計をするには必要なものなのです。
途上国での家計簿普及の活動も同じ役割があると、私は思います。
家計簿をつけても家計収入は向上しませんが、合理的な生活設計はできるようになるはずです。
いずれの場合でも、目標に向かって適切な戦略を立てるためには、その実態を正しく把握することが不可欠であり、そのためには、決算書や家計簿の存在が必要になるのではないでしょうか。
ラオス人というか、うちのスタッフが持っている仕事の「期限」に対する姿勢。
1.一応期限が設定されている場合
期限は目安程度に考えており、期限日を迎えてからやり始めるなんてこともあります。
⇒やや期限を超えることを想定し、それを見越して仕事を振る必要あり。
2.期限が設定されていない場合
いつまでもやらなくても大丈夫という解釈に変わり、いつまでもやらずに放置し、本当に終わりを迎えないことがあります。
⇒期限は設定して仕事を振る必要あり。
3.期限が長すぎる場合
まだやらなくても大丈夫だと考え、あとでやろうと放置し、そのまま忘れてしまうことがあります。
⇒適度なタイミングで仕事の始める日を指定する必要あり。
基本的には、時間におおらかに生活しているんですよね。
それらを踏まえて、今回。
ある仕事について、余裕を持ってピーマイ(来週迎えるラオス新年)後くらいにやってくれたらいいよ、と伝えてみました。
すると、
スタッフ
「こういうのは早くしないとダメ!!」
・・・分かってんじゃん。
他の仕事でも同じように考えてくれること&実際にそうやってくれることを期待します。
私は、基本的には自分で完結する仕事に対しては、かなり寛容に期限を見ています。
ただ、配属先のPMCは卸売もやっており、お客さんを相手にした商売です。
そのため、そういった他の誰か(特に、外部の人)に影響が及ぶ仕事については、期限をしっかりと管理するように配属先スタッフには伝えてきました。
まだまだ自分の至らなさで管理しきれておらず、本当にお客さんに迷惑をかけてしまったこともあります。ただ、今回のようにスタッフが期限を意識することを習慣化させてくれれば、段々とそれも改善されていくでしょう。
おそらく、ラオス人スタッフの今までの生活は、
周りの人たちと実際に顔を合わせての生活だったのだと思います。
つまり、知っている人の中での生活。
商売も、対面販売が基本です。
そのため、
外部との関わりのすべてが自分の知っている相手であり、お互いの多少の不備も融通を利かせることができていた(融通が利いてしまっていた)のだと思います。
しかし、ビジネスをやろうとすれば、最終顧客は顔を合わせることも連絡先も知らない人になることもあります。
そういう人たちとっては、そんな融通もこっちの都合も興味ありません。
ラオス人のおおらかな生活も好きですが、仕事の場面ではそういった違いを理解し、ビジネス感覚を育てなければならないと思っています。
時間(納期)も、商品(品質、価格)と同様に、大切なビジネスの価値になりえますからね。
私利と他利が交雑する中、それを頭の理解だけでなく、行動に変えてもらうのは非常に難しいですが、うまく私利に結び付けるなりして、PMCがお客さんといい関係を築けるようにしていきたいです。
せっかく決算資料の様式を整えているので、企業評価をする上で重要だと思う経営指標や決算書の見方を、配属先にも紹介したいと思っています。
あまり多くを一気に伝えてしまっても混乱すると思うので、まずは収益力、運営効率を測る指標に絞って、単純だけど重要なものを紹介していきます。
1.原価率
2.商品回転率
3.2期比較、3期比較による変化
1.原価率(%)=売上原価÷売上×100
PMCは、行政が運営している組織のため、従業員は公務員給料があり、建物もそこに帰するために家賃・土地代は発生しません。つまり、通常の小売業であれば必ず発生する人件費と家賃という大きな固定費負担がPMCにはありません。
そのため、PMCの損益分岐点売上高は低く、赤字リスクはあまりありません。
そのためか収益についての意識は甘いので、なかなか次年度のトレーニング費用や投資などに資金を確保できていません。今後の事業のさらなる発展のためには、収益力についても考える必要があるでしょう。
PMCの運営目的を鑑みれば、方向としては、不当に高い価格設定をするのではなく、逆に、利益が極端に少ない商品の見直しをするのが妥当でしょう。
2.商品回転率(回転)=売上÷期中の平均在庫高
式からも分かるように、1年間に商品が何回転したかを表します。
その意味するところは、在庫投資の効率性を表わすことができる指標ということです。
仮にこの数字が低いということは、在庫投資に対して、期待するほどの売上を上げられていないことを意味します。
過大在庫になっている可能性があり、不良化、長期化をうたがう必要があります。いずれにせよ、適正な在庫投資が行えていないと言うことができるでしょう。
逆に、この数字が高いと、少ない在庫投資で多くの売上を上げたことになります。
商品回転率は、利益率だけでは分からない運営効率を与えてくれる指標なのです。
3.2期比較、3期比較による変化
決算書を見る際に、前期、またはそれに加えて前々期の決算書と比較するのはひとつのテクニックです。
2期or3期と決算比較を行うと、経営の変化に気づきやすくなります。
また、何か問題や特別な利益を享受していた時も、それが一過性のものか、構造的なものかを知る手がかりになります。
さらに、経営指標としてはベンチマークと比べても異常値ではなくても、過去の実績から比較すれば悪化している数字もあるかもしれません。そういったものに気づくことができます。
その事業の特性を知る上で、このように過去のデータと照らし合わせて考えてみるということは大事なのです。
また、事業成長のトレンド(傾向)を把握できるというメリットもありますね。
企業の過去と現在を知れば、その企業の未来を推察するひとつの根拠になります。
日本で働いていた頃は、よく安全性の指標にも気をかけていました。
しかし、PMCでは原則掛取引を行っていないのと、プロジェクト支援の資本で始まっている組織なので、安全性は比較的高い状況にあります。
日本では、流動比率や固定長期適合率、金融費用対売上高比率、資金繰り、資金収支、、、等を常に気にしながら企業分析を行っていましたが、その頃とは少し状況が異なっているようです。
余裕があるのは、もちろん企業の運営にとってはいいことです。
だからこそ、マーケティングへの危機感が薄くなってしまっているのかもしれないですが。
(余裕があると言っても、企業の事業規模ベースから考えればの話で、日本のベースから考えれば少額ですが。)
ともかく、自己資本とキャッシュフローに余裕があるうちに、いろいろ手だてを考えていきたいところです。
そのためにも誤った経営判断を行わないように、しっかりとした現況分析を行っていきたいです。
今、配属先PMCの決算書の様式(P/L、B/S)を整えています。
形式は違いますが、PMCは一応毎月、売上と利益の報告及び現預金残高の照合報告をPMCの管轄元である産業商業局の局長にしています。
ですので、配属先がそれでいいと思っているのであれば、決算の報告も今までのやり方でいいと思っていました。
運営実績が一目で分かるというわけではなく、頭も使わされますが、全く分からないわけではなかったので私個人としてはまぁ良しとしていました。
特に、PMCの現在の事業規模ではいいかなと妥協していた面がありました。
しかし、配属先スタッフからの要望があった(本当に導入するかは未定)ので、現況をより分かりやすくするために決算書類の形式を少し変えることにしました。
なんでも、やっぱりラオ人スタッフ同士でも理解の相違があって、うまく数字の意味がつかめていなかったようです。
現在PMCが報告用に使用しているシートは主に2種類。
ともに資産をベースにしたもので、それぞれ「現預金残高」「商品在庫」に注目したシートです。
現預金勘定と実際の残高の整合を確認することが仕事の担当スタッフが作っているものです。
何というか資金繰り表、、、と言うか、領収書&預金通帳を見ている感じですね。
これは、その現預金照合という目的からすれば、まぁOKです。
ただ、このままではP/L勘定の残高は算出できていません。
そのため、自分でお金の流れをもう一度整理し直す必要があります。
私は決算書がなく、領収書や預金通帳を使って経営の実態を把握してきたそういう経験があるので、そこから粗方P/L勘定を掴めますが、慣れていない人では難しいでしょう。
PMCが受け取った金額と、販売された商品の残高が書かれ、一応の「粗利益」まで計算されています。
しかし、その受け取った金額というのには、商品売上、受託販売手数料、売掛金回収、その他特別利益、といった様々な金額が合計されてしまっています。
純粋な売上がそのままでは把握できないのが、まず問題です。そして、取引ベースの数字とキャッシュフローベースの数字が混ざってしまっているので、正確な利益が把握できていません。
商品売上、受託販売手数料などの取引把握に必要な数字が省略されているので、お金の流れをつかみにくいものになってしまっています。
そのため、せっかくExcelでシートはつくっているのに、Excelの計算式が作れず、全部手入力です。おそらく、スタッフの頭の中でもお金の流れが整理しきれていないのでしょう。
きっと目的が曖昧なまま数字を並べているので、情報が取り出しにくくなってしまっているのだと思います。
あと、大きな問題に、ある月から様式だけでなく「利益」の定義が変わっていました。
お金の流れが一目で分かりにくい書式で、いきなり「利益」という項目が出てくるので、初めは私自身の計算間違いだと思っていました。
しかし、どうやっても数字が合わないので担当スタッフに聞いたら、いつの間にか受託手数料を加味しなくなったようです。たぶん今まで誰も気づいていなかったでしょう。
とにかく、お金の流れをはっきりさせた様式のものがあれば、どこのレベルのものを「利益」と呼んでいるのかも見て分かるので、そこは是正する必要があるでしょう。
というわけで、現在PMCの決算報告用の様式を整えているのです。
求めている要素は、大きく3つ。
1.お金の流れがはっきり分かるもの
2.必要な情報が、すぐに取り出せるもの
3.現在の科目は、原則そのまま利用する
1については、すでに述べてきたようなことが理由です。
2については、決算書類を含めて資料は、欲しいと思う情報がすぐに手に入って価値あるもの。データを集めただけで満足してはいけません。データは、加工して初めて役に立つものだと、私が考えているからです。
3については、配属先のスイッチコストを小さくするためです。
しかし、改めて作成を試みてみるものの、0からつくるよりけっこう厄介です(笑)
それでも、前職の経験を活かしながら、なんとかそれらしいものを作ってみました。
結局は、私が慣れ親しんだスタイルに近づいてしまっていますが、かなり分かりやすくなったはずです。
まだ、自己資本の連続性(正式名は分かりませんが、利益と資産の増減は一致するという原則)が確認できていないので完璧とは決して言えないですが、大まかなものはできました。
手直しを加えつつ、これをうまく今後の経営判断に活かしていくつもりです。