東南アジア最後の秘境と呼ばれるラオス。そのラオス北部の都市、ウドムサイから綴る日本人のブログ。 PMCという特産品(クズやシナというラオスでも稀少な産品を素材に使った製品など)を扱うショップで、ボランティアとして日々何かしらに奮闘しています。
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途上国でプロジェクトを進めるにあたってよく耳にするのが、
現地の人は長期的な視野で投資メリットを理解するのが難しい、という問題です。
極端な例ですが、例えば、
商品A: 購入価格 300円 耐用1カ月
商品B: 購入価格3,000円 耐用30か月
現在価値の割引やランニングコストなどは無視して単純に考えての価格ですが、
この時、1カ月当たりの費用を比べてみると、
商品A: 300円/カ月
商品B: 100円/カ月
になります。
これだけ見ればより好まれそうな商品Bが、なぜか選択されないケースが多いというのです。
これについて、現地の人は長期的な視野に立って投資を考える能力・習慣がない、と切り捨ててしまう考えを、間々目にします。
私も、協力隊に参加する以前には、そういう状況を想定していました。
しかし、実際に途上国で生活していると、これは途上国の人々が現在価値での比較ができない、長期的な視野がない、という問題だけではないと感じています。
私の任地のウドムサイは、安価な中国製品が多く市場を占めています。
そのような製品は、基本的に長持ちしません。
1度使っただけで壊れてしまったものもありました、まさに今日。
(それでブログを書いているわけですが。)
しかし、安いので、お客さんもそれを承知して買っています。
安かろう悪かろう(品質が悪くても、安いんだからしょうがない)という意識が共通しているのです。
そのような、壊れやすいものが溢れている社会では、長期的な視点に立たなければならないモノはリスクが高いと認知されてしまうのです。
つまりは、
「高くても、どうせすぐに壊れるんでしょう。」
「なら、安いものの方がいいわ。」
という思考に陥るわけです。
そして、安いものの方が好まれる社会になり、安くて質の低いものがより出回る社会になっていくのです。レモンの定理の問題と同じような考えですね。
こういう状況が想定される社会では、長期的な視野で行動することは逆にリスキーとなるのです。ですので、お得な可能性を持っている商品も、それ以上に短期で壊れるリスクも持っていると認識されてしまうので避けられてしまうのです。その思考が、高い商品にも当てはめられるので、選ばれないという結果になるのだと思います。
少なくとも私は、そういう思考になってしまいます。
特定のブランド力による品質保証がない限りは、高いものは買うのを躊躇ってしまいます。
また、金融システムが十分ではないので、そういう本当に高くて良いものの調達が難しいという問題もあるかもしれません。
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